今回ご紹介する内容は「ポルシェ993ターボS」の下回り・エンジンルームのドライアイス洗浄になります。
海外のディティリングショップでは以前から行われているドライアイス洗浄。日本ではまだまだ認知度が低くあまり知られておりません。今回は世界総生産台数183台。日本には10数台しかないと言われている希少車になります。今回お客様は長年の汚れを一度綺麗にリフレッシュして、これからも長くお乗りになりたいという事から弊社取り扱いのドライアイス洗浄をお選びいただきました。弊社のご利用誠に有難うございます。
弊社が導入したドライアイス洗浄機はグリーンテックジャパン社 「ドライアイスパワー GT-110M」になります。色々なアタッチメントを駆使して出来るだけ奥まった部分の汚れまで綺麗にしていきます。
ドライアイス洗浄は圧縮空気を利用してドライアイス(3mmペレット)を高速噴射する事により付着物(汚れ)を除去します。
≪ 剥離の原理 ≫
① 付着物にー79℃のドライアイスを噴射する事により表面温度が急激に低下し、熱収縮(サーマルショック)によって付着力が弱まり
② 付着物の隙間にドライアイスが入り込み、約750倍の体積膨張が発生して付着物(汚れ)が剥離します。
サンドブラストのように母材を削るまでの力は無く、ドライアイスの熱収縮と体積膨張という特性を利用して汚れを落としていきます。その為、母材を傷つける心配はございません。またドライアイスは衝突すると液体にならずに固体から気体に昇華し大気に消え、付着物のみが残ります。
まずリフトで上げてアンダーカバーを外し、下回りの汚れの確認を致します。
≪ リヤ ≫
なかなかアンダーカバーを外して下回りの汚れを見る機会はないと思います。四半世紀以上の汚れがこびり付いているのが分かりました。
≪ フロント ≫
≪ ホイールハウス ≫
かなりの汚れが付着しているのが分かりました。さあ、ここからはドライアイス洗浄機を使って綺麗にしていきたいと思います。
ドライアイスの特性、-79℃のドライアイスを高速に吹き付けることにより表面温度が急激に低下し、熱収縮によって付着している汚れの付着力が弱まり、汚れの隙間にドライアイスが入り込み0℃の時に固体から気体へと昇華する際に元の体積の約750倍に膨らみその体積膨張力によって汚れを剥がし落とします。
出来る限り奥まった汚れ等、隅々まで除去していきます。
洗浄後の状態をご覧ください。
長年の汚れが取れオリジナル本来の状態に近づき、とても綺麗になりました。
汚れで見えなくなっていた「PORSCHE」の文字も見えるようになりました。ショックの部分も綺麗な赤が出てきました。
ドライアイス洗浄は単純に「付着している汚れを落とす」ため、艶出し剤などを使用したテカテカな綺麗さはございませんが、オリジナルに近い状態に戻すという「自然な綺麗さ」がございます。
ホイールハウス内も同様にドライアイス洗浄していきます。
今回ホイールハウスは、ドライアイス洗浄後ボディー色で化粧直し致しました。(追加オプション)
インナーカバーも綺麗にし、ホイールハウス内もとても綺麗になりました。
エンジンルームもドライアイス洗浄していきます。ドライアイスは気体になって不要な残留物が残らない為、水を使用しての洗浄が難しいエンジンルームの洗浄にも最適です。
今回は大きなインタークーラーがある為、洗浄できる箇所が限られてしまいますが、出来るだけ隅々まで綺麗にしていきたいと思います。
≪ 洗浄前 ≫
インタークーラーのフィンをドライアイスで傷めない様、養生して丁寧に洗浄していきます。
ちょっと分かりずらいですが、付着していた埃などがとれて、光る所は光り。黒い部分は黒くなり。と全体的に清潔感が出たと思います。
≪ 洗浄後 ≫
一通り洗浄作業が終わり、最後に下回りのアルミ地のパーツの部分に防錆剤(クリアータイプ)を塗布してドライアイス洗浄完了となります。
「見えない所も綺麗にしたい」「一度綺麗にして長く乗り続けたい」等、下回り・エンジンルームの洗浄でドライアイス洗浄をご検討のお客様は「わたびき自動車」にお任せください。