今回ご紹介する内容は「ポルシェ964ターボ」の下回り・ホイールハウス及びエンジンルームのドライアイス洗浄になります。海外などのディテーリングショップでは以前から行われているドライアイス洗浄、日本ではまだまだ認知度が低くあまり知られておりません。
今回お客様は、前々から「ドライアイス洗浄」についてご興味があり、長年蓄積されていた下回りの汚れを綺麗にしたいという事でお調べになっていたところ、弊社に出会いご依頼をいただきました。弊社のご利用誠にありがとうございます。
弊社が導入したドライアイス洗浄機はグリーンテックジャパン社 「ドライアイスパワー GT-110M」になります。色々なアタッチメントを駆使して出来るだけ奥まった部分の汚れまで綺麗にしていきます。
ドライアイス洗浄は圧縮空気を利用してドライアイス(3mmペレット)を高速噴射する事により付着物(汚れ)を除去します。
≪ 剥離の原理 ≫
① 付着物にー79℃のドライアイスを噴射する事により表面温度が急激に低下し、熱収縮(サーマルショック)によって付着力が弱まり
② 付着物の隙間にドライアイスが入り込み、約750倍の体積膨張が発生して付着物(汚れ)が剥離します。
サンドブラストのように母材を削るまでの力は無く、ドライアイスの熱収縮と体積膨張という特性を利用して汚れを落としていきます。その為、母材を傷つける心配はございません。またドライアイスは衝突すると液体にならずに固体から気体に昇華し大気に消え、付着物のみが残ります。
まず、リフトで上げてアンダーカバー等を外し下回りの汚れの確認を致します。
≪ リヤ ≫
なかなかアンダーカバーを外して下回りの汚れを見る機会はないと思います。約30年もの間の汚れがこびり付いているのが分かりました。
≪ フロアーパン≫
≪ フロント ≫
≪ ホイールハウス ≫
ホイールハウスも同様に結構汚れが付着しているのが分かりました。さあ、ここからドライアイス洗浄機を使って綺麗にしていきたいと思います。
ドライアイスの特性、-79℃のドライアイスを高速に吹き付けることにより表面温度が急激に低下し、熱収縮によって付着している汚れの付着力が弱まり、汚れの隙間にドライアイスが入り込み0℃の時に固体から気体へと昇華する際に元の体積の約750倍に膨らみその体積膨張力によって汚れを剥がし落とします。
洗浄前と洗浄後の境目がくっきり分かるほど汚れが取れています。
出来る限り奥まった汚れなど、隅々まで丁寧に除去していきます。洗浄後の状態をご覧ください。
長年付着していた汚れが取れてとても綺麗になり、オリジナルに近い状態に戻ったと思います。
汚れで見えにくかった「PORSCHE」の文字も分かるようになりました。同様にパーツナンバーなども確認できるようになりました。
ドライアイス洗浄は単純に「付着している汚れを落とす」ため、艶出し剤などを使用したテカテカな綺麗さはございませんが、オリジナルに近い状態に戻すという「自然な綺麗さ」がございます。
ホイールハウスはドライアイス洗浄後、ボディー色で化粧直し致しました。(追加オプション)また、インナーカバーも洗浄しましたので、ホイールハウス内も凄く綺麗になりました。
エンジンルームもドライアイス洗浄していきます。ドライアイスは気体になって不要な残留物が残らない為、水を使用しての洗浄が難しいエンジンルームの洗浄にも最適です。
今回は大きなインタークーラーがある為、洗浄できる箇所が限られてしまいますが、出来るだけ隅々まで綺麗にしていきたいと思います。
≪ 洗浄前 ≫
≪ 洗浄後 ≫
埃や汚れが取れて清潔感が出ました。
一通り洗浄作業が終わり、最後に下回りのアルミ地のパーツの部分に防錆剤(クリアータイプ)を塗布してドライアイス洗浄完了となります。
「見えない所も綺麗にしたい」「一度綺麗にして長く乗り続けたい」等、下回り・エンジンルームの洗浄でドライアイス洗浄をご検討のお客様は「わたびき自動車」にお任せください。